元気な高齢者にはどう対応する?
活発な高齢者が増えている
日本は5人に1人が高齢者という超高齢社会です。高齢化はさらに進むと予想され、2030年には全人口の2割を高齢者が占めるようになるといわれています。併せて、介護を必要とする高齢者の割合も増えると想定されています。介護の負担やマンパワー不足は今以上に大きな問題となることでしょう。しかし、その一方で介護を必要としていない高齢者もいます。厚生労働省によると、75歳以上の後期高齢者の約7割が要介護や要支援の認定を受けていません。つまり、大半の人たちが元気で自立した生活を送っているのです。
20年前に比べて今の高齢者の身体的な状態や知力は10歳ほど若返っています。つまり、実年齢が75歳でも実際には65歳並みの体力や知力がある、ということです。若々しく元気な高齢者のことを「アクティブシニア」といいます。アクティブシニアは自分なりのライフスタイルを確立し、楽しく暮らしています。高齢者本人はもちろん、家族も「まだまだ元気だから大丈夫」と健康状態をそれほど深く心配していません。しかし、75歳以上の高齢者は健康リスクが非常に高い年代です。いつ状態が急変するか分からないため、万が一のケースに備えておく必要があります。備えておけば早期に発見し対応することができ、重症化も防げます。いつ体調が変化したり、事故が起きたりするのかは分かりません。すぐに対応できるように24時間体制で見守りができる環境が整っていれば安心です。
アクティブシニアの見守り方
アクティブシニアが多い中で注目を集めているのが、IT技術を使った安否確認システムです。小型でリーズナブルな見守り用のカメラは大がかりな工事は必要なく、24時間モニタリングできるとあって設置する家庭が増えています。家族はPCやスマートフォンでいつでも様子を確認できます。遠くにいてもすぐ近くで見守っているような感覚でいられるのが人気の秘訣です。
しかし、アクティブシニアからすると安全のためとはいえ、カメラを設置していると常に監視されている感覚になり気持ちのよいものではないでしょう。自立して元気に暮らしているのに、年寄り扱いされていることに憤りを感じるかもしれません。
そのようなアクティブシニアにおすすめなのが、カメラの代わりにセンサーを搭載した見守りシステムです。人の動きや温度、照度などをセンサーで感知するため、見守られるアクティブシニアがカメラの「目」を意識することはありません。
高齢者の割合が増加しているということは、シニアのライフスタイルも多様化しているということです。さまざまなニーズに合わせて安否確認サービスのシステムを構築することが重要です。