注意したいのは災害時
日本は自然災害が多い
日本は地震や台風などの自然災害の多い国です。高齢者はこうした災害の被害者となる割合が非常に高くなっています。離れて暮らしている家族は緊急事態の安否確認についても非常に気になるところでしょう。
高齢者が被害に遭う確率が高い理由は、体力が衰えていたり、病気や障害があったりしてすぐに避難できないからです。災害から身を守るには周囲の手助けが必要ですが、普段から高齢者の様子を見守っていればいざという時もスムーズに行動できるでしょう。
身を守るために
大切なのは前もって準備をしておくことです。周囲に頼ることも必要ですが、高齢者本人も災害に備えて準備しておかなければなりません。しかし、どのような備えが必要なのか十分な情報を得られていないため、多くの高齢者世帯では災害準備が進んでいません。家族で話し合って、協力しながら災害準備を進めましょう。
まずは地域の災害関連情報を集めることです。市区町村で配布している「防災の手引き」や「ハザードマップ」を参考にして災害時に起こりそうなリスクについて確認します。次に、防災無線やローカルテレビ、自治体のホームページから避難場所や避難ルート、緊急時の支援といった情報を整理します。高齢者は自宅で過ごすことも多いため、耐震補強や自宅内の安全な場所なども把握しておくといいでしょう。また、高齢者は既往歴のある人も多いため、氏名や連絡先、血液型やアレルギーの有無、常用している薬の種類などを記入した災害準備ノートを用意しておくと避難先でもすぐに対応してもらえます。各自治体では災害時にサポートが必要な高齢者に向けて「要援護者登録制度」を設けています。高齢者が申し出て登録する必要がありますが、登録しておくと行政や消防などの関連機関や地域コミュニティなどが情報を共有し平常時から見守ってくれます。
これらの情報をまとめたら、高齢者や家族、地域の人たちで共有しておきましょう。効率のよい見守り体制ができるため、災害時でも安否確認がすぐにできます。
安否確認は2重3重で
「備えあれば憂いなし」という言葉があるように、前もって準備しておけばいざという時に安心です。家族や地域の人たち、自治体と情報を共有しておくことは大切ですが、シミュレーション通りにいくとは限りません。大規模な災害が起きたら周辺の地域とは連絡が取れなくなるため、高齢者本人はもちろん、見守りをお願いしていた地域の人たちとも連絡がつかなくなる可能性があります。連絡がつかなくても安否を確かめられるNTTの災害用伝言ダイヤルや携帯電話会社の災害用伝言板といったシステムの導入も検討してみましょう。どれかひとつでもつながるように複数の連絡手段を確保しておくことが大切です。